シーメンス、Red Hat OpenShiftでファクトリー・エッジのイノベーションを促進

シーメンス アンベルクがクラウドネイティブ・アプリケーション開発とAIによるデータ・インサイトを利用し、デジタル・ファクトリー・ネットワーク全体におけるソフトウェア導入の迅速化と生産性の向上を実現

東京 -

[Bosch ConnectedWorld 2022年11月10日(現地時間)発表]アメリカ報道発表資料抄訳

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.は本日、シーメンスが同社のアンベルクの生産施設において、業界トップクラスのエンタープライズKubernetesプラットフォームであるRed Hat OpenShiftを使用して、ミッションクリティカルなアプリケーションの可用性、パフォーマンス、およびセキュリティ体制を強化したと発表しました。

シーメンスのアンベルクにある製造・開発拠点はシーメンスのデジタル・インダストリーズ部門の一部であり、Industry 4.0アプリケーション導入の先駆者です。また、同社の産業オートメーション・ポートフォリオであるSIMATICを含む、複数の製品を生産しています。短い平均応答時間を維持するために、データはファクトリー・エッジで処理されています。

生産の柔軟性と効率の向上、イノベーション・サイクルの短縮、さらに稼働時間の最大化を目標とするシーメンスのこの製造・開発拠点は、既存のモノリシックなITインフラストラクチャをアップグレードし、情報技術(IT)チームと運用技術(OT)チーム間のよりシームレスな協力体制を支援する必要がありました。シーメンスは、工場で使用しているRed Hat OpenShift上に、クラウドネイティブでモジュール形式の、マイクロサービスをベースとするアーキテクチャを実装することにしました。

シーメンスは人工知能(AI)ツールにより、工場で収集したデータをクラウドで分析し、学習した事を適用することで継続的に運用を改善しています。工場でのAIの使用例としては、設備が壊れる前での交換や、隠れたはんだ接合部のX線画像検査による潜在的な異常を検出するなど、予知保全と品質保証のための機械学習(ML)の適用があります。故障を事前に予測することによって、シーメンスはダウンタイムコストを節約できます。OpenShiftに統合されたGitOps機能により、これらのアプリケーションをより高頻度で更新し工場フロアに展開できるため、AI推論の予測精度を継続的に改善することが可能です。

また、シーメンスはより大量データの柔軟な分析の促進を狙って、アンベルクを含むプラントでプライベート5Gインフラストラクチャを構築しています。シーメンスには、コンテナ・プラットフォームの延長としてRed Hat OpenShift上にソフトウェアデファインドのプライベート5Gソリューションを実装するという選択肢がありました。

Red Hat OpenShiftは、より一貫性のあるオープン・ハイブリッドクラウド・プラットフォームをシーメンスに提供し、コアからエッジまで相互運用可能な形でシーメンスがアプリケーション・セキュリティ機能の管理、拡張、および改善を行えるようにします。同社は、製造フロアでRed Hat OpenShiftを実行するか、または複数のパブリッククラウドでマネージド・サービスとして利用するかを選ぶことができます。シーメンスはRed Hatコンサルティングと緊密に協力し、展開の過程でRed Hatトレーニングの各種コースを実施することによりチームのスキルを向上させ、新しいテクノロジーの価値をより早く手に入れるために役立つアジャイル・ワーキングの方法論を採用しました。今では、シーメンスは世界中のコードを再利用して、他の工場にもベストプラクティスを適用できるようになっています。

Red Hat OpenShiftのセルフサービスやオートメーション機能をGitOpsと組み合わせて使用することで、シーメンスの開発者たちは定型作業に費やす時間を減らし、小規模で反復的な変更を、より日常的に、運用を中断することなく実施できるようになりました。例えば、アプリケーションのパッチやアップデートを毎日適用することが可能です。これまでは、生産オペレーションの混乱が避けられなかったため、シーメンスはシステムのアップグレードを年に2回だけ、1年前から予定を組んで実施していました。システム更新をより迅速に実施できるということは、潜在的なセキュリティ脆弱性と脅威に対する対応を、生産オペレーションを中断することなくより迅速に行うためにも役立ちます。Red Hatは、コンテナホスト、クラスタ管理、さらにプラットフォーム上で動作するアプリケーションとサービスを含む、コンテナアプリケーションスタックに対する継続的なパッチとバグ修正を提供します。

シーメンスはアンベルクでアプリケーションのモダナイゼーションとリファクタリングを継続し、大規模で複雑なソリューションを、より良い応答性を可能にする、モジュール形式のマイクロサービスに置き換えていきます。今後予定されている新しいプロジェクトとして、シーメンスが同社の製造実行システム (MES)を新しい製造オペレーション用モジュラーエコシステム(MEMO)に代替する計画があります。

サポートコメント

Red Hat In-Vehicle Operating Systemおよびエッジ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー フランシス・チョウ
「シーメンスのアンベルク製造・開発拠点と協力してオープンソースをファクトリー・エッジに提供できることを嬉しく思います。情報技術(IT)と運用技術(OT)の周りのサイロを切り崩すことによって、Red HatはシーメンスがエッジのAIとクラウドネイティブ戦略をさらに活用する手助けをしています。このプロジェクトは、シーメンスの運用の効率向上、よりタイムリーなデータに基づくインサイト、さらに継続的なイノベーションという、オープン・イノベーションが製造の世界で可能にすることの氷山の一角を示しています。シーメンスがRed Hat OpenShiftという基盤の上でスマート・ファクトリーのフットプリント全体にわたる成功の拡大を目指す中で、同社との協業をさらに進めていくのを楽しみにしています。」

シーメンス アンベルク ITプロジェクトマネージャー Christian Schulze 氏
「当社のデジタル・ファクトリーが画期的な製造のイノベーションを実現するためには、テクノロジーの面でも最先端を行く必要があります。当社の最も先進的な拠点であるアンベルクでRed Hat OpenShiftを採用して以来、シーメンスの開発者は生産性の向上、機能のロールアウトの迅速化、さらに混乱の減少という恩恵を受けています。Red Hat OpenShiftのスケーラブルなプラットフォーム・アーキテクチャは、ハイブリッド環境全体に一貫性と柔軟性の向上を提供し、エッジでのデータに基づく意思決定の活用を可能にしてくれます。Red Hatとの協業によって、ビジネスの需要の変化に対する応答性が向上し、優れた人材の獲得と定着の強化が可能になり、結果として、真のデジタル・エンタープライズへの移行過程にある当社の顧客をより良くサポートできるようになりました。」

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